用語集 心理学の種類
産業心理学 |
---|
産業心理学とは、産業に関わる問題を取り扱う心理学です。 内容的には、組織内の人間関係・労働環境・作業効率などの場面を扱います。 20世紀初頭にアメリカの心理学者ミュンスターベルクによって実験心理学の手法を産業場面に応用したのが始まりとされています。 産業心理学の研究で有名なのが科学的管理法というものがあります。 科学的管理法とは、フレデリック・テイラーが提唱したもので、劣悪な条件下にある労働者の作業量や作業方法を調査することによって労働者に負荷がかからないシステムを体系的に設定するというものです。 その主となる方法が ○課業管理 →ノルマの設定や条件の標準化、報酬や減収の整備を行うこと ○作業の標準化 →標準的作業時間の設定や工具や手順の標準化 ○作業管理のために最適な組織形態 →現場が生産計画を決定するのではなく、それぞれを分離する という3つです。 これらの方法は世界中で用いられるようになりました。 また、作業効率は労働環境条件では変わらず、インフォーマルな人間関係が士気に関わりを持っていて、それが生産性を上げるというホーソン研究も有名です。 リーダーシップ 産業心理学ではリーダーシップに関する研究も多々されています。 有名なのは「類型論」で、レビィンらの実験から導き出されました。 内容は、 「小学生のグループを3つ作りそれぞれに下記のリーダーを配置します。 1、民主的リーダー →メンバーとの話し合いを重視する 2、専制的リーダー →メンバーや課題を厳しく管理する 3、放任的リーダー →全てを放任する 結果は民主的リーダーのグループは専制的リーダーのグループより生産性は低かったものの、作業の動機付けやグループ内の安定した関係などの好影響がありました。 また、専制的リーダーのグループはメンバーの依存度や潜在的不満が高まる事が分かりました。 放任的リーダーのグループは生産性もまとまりも低くなるという事が分かりました。 この結果、民主的リーダーの有用性が示されました。」 というものです。 生産性だけを求めるのも、管理をしないというのも綻びが生じるというものです。 他にも関連した研究がなされていて、産業やビジネスに活かされています。 |
|